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公益財団法人 豊田理化学研究所 第19回 フェロー研究報告会 日時 2016年6月17日(金) 13:30~17:00 <プログラム> 座長 未 定 13:30~13:35 開会挨拶 [第1部 フェロー研究報告会] 13:35~14:05 報告1. 合金状態図(相図)と組織制御に関する基礎および応用研究 石田 清仁 客員フェロー 各種構造及び機能材料に関する状態図(相図)と組織制御について熱力学的観点から解析を行い、材料設計を行うための基礎的知見を得る。特に多元系Ti合金の相安定性の予測法の確立や、結晶粒の微細化や粗大化するための手法とそのメカニズムの解明を試みる。これらの基礎研究に基づき(1)高熱伝導・低熱膨張係数を有する新型ヒートシンク材の開発 (2)高電気抵抗合金の開発 (3)鍛造用Co-Ni基スーパーアロイの開発を目指す。 14:05~14:35 報告2. グラフェンナノ構造の特異な電子・磁気構造と新奇物性発現 榎 敏明 客員フェロー 2次元原子膜グラフェンを切ってできるナノグラフェンの電子構造は、その幾何学構造に大きく依存する。このことは物理学では、質量のないDiracフェルミ粒子の境界条件の問題として、また、化学では、ナノグラフェンがナノサイズの縮合多環式芳香族炭化水素であることから、芳香族性の問題として理解することができる。本研究では、そのような幾何学構造に依存したナノグラフェンの電子構造のトンネル顕微鏡実験、DFT計算の結果を踏まえて議論するとともに、ナノグラフェンの電子的、磁気的、化学的活性の問題を議論する。 14:35~15:05 報告3. 超流動3He-Bの表面束縛状態の磁気応答 奥田 雄一 客員フェロー P波超流動でエネルギー・ギャップが等方的に開いているB相では、その表面にユニークな準粒子状態が存在しますが、それを横波音響インピーダンスの手法で見出しています。この表面束縛状態の準粒子は、粒子と反粒子の区別のないMajorana Fermionになっていることが示されています。その解明のためインピーダンスの磁場応答を調べることを考えています。準粒子の自由度が半分になっていることに対応して磁場に対する応答がとても異方的になります。 15:05~15:25 コーヒーブレイク [第2部 特定課題研究報告] 15:25~15:55 報告4. 熱体積機能性材料の革新:複合自由度が生み出す巨大エントロピーとその制御 竹中 康司 教授 現代社会が抱えるエネルギー・環境問題の解決には、熱輸送、熱電変換、蓄熱・蓄冷、冷凍、さらには熱膨張・形状・歪の制御といった熱と体積のマネジメントに資する熱体積機能性材料の革新が求められる。そのためには、材料の熱量効果や体積効果を決める巨視的熱力学量・エントロピーを支配する微視的因子の理解と制御が必要である。本特定課題研究ではそれを新しい工学「エントロピクス」と定義し、その展開を目指してきた。その成果として、フラストレート系金属磁性体の磁気体積熱量効果について報告する。 15:55~16:25 報告5. 制御・情報理論による生物システムのロバストネス解析と設計 津村 幸治 准教授 本研究会は、生物システムにおける情報伝達の特性と、システムが実現する機能の関係を解明することを目的とし、コアメンバー間の議論(全11回)と公開の講演会(全7回)を実施してきた。本報告会では、その活動を通して得られた知見について解説する。具体的には、制御理論・情報理論・統計理論等を拠り所にして、ノイズや環境変動に対して耐性のある、生物固体内のミクロスコピックな振る舞いや、生物集団としての世代交代・生存過程等が議論できることを説明する。 16:25~16:55 報告6. 感圧・感温塗料のフロンティア:分子センサの可能性と新展開に向けて 江上 泰広 教授 感圧塗料(PSP)、感温塗料(TSP)をはじめとする分子センサは、マイクロサイズから航空機までの圧力や温度分布を、光学的かつ非侵襲にグローバル計測を行うことができるイメーンジング計測法である。この2年間の特定課題研究会で集中的な議論を行い、100kHz以上の時間応答性をもち、温度感度や表面粗さの小さい優れた特性を持つPSPを作り出すことができた。また1Paの微小な圧力変動を高精度で計測する手法の開発にも成功し、PSPによる騒音計測という目標に大きく近づくことができた。 16:55 閉会挨拶 [参加申し込み]
参加費:無料 [交通アクセス]
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